【REPORT】欧州ドラッカー協会 シニアフェロー称号授賞式 紺野登
2026/02/19

経営者イノベーション委員会(以下EIC)の紺野登が、欧州ドラッカー協会 シニアフェロー称号を2025年7月1日にいただきました。
その様子を、レポートとダイジェスト映像にてお伝えいたします。
ダイジェスト映像は、以下の青枠内のYouTube動画を再生してご覧ください。
EIC YouTube チャンネル
欧州ドラッカー協会 シニアフェロー称号授与式 紺野登(ダイジェスト映像)
紺野登氏、欧州ドラッカー協会シニアフェローに就任 「ネクスト・マネジメント」への期待と議論
「知識労働者の生産性をいかに向上させるか」――。経営学の巨人、ピーター・ドラッカーが21世紀最大のチャレンジとして遺したこの問いに、今、ひとつの光明が差し込んでいる。多摩大学大学院名誉教授であり、一般社団法人Japan Innovation Network(以下JIN)の代表理事(授与時)、そしてEICの紺野登氏が、欧州ドラッカー協会のシニアフェローに就任。故・野中郁次郎氏の「知識創造理論」を継承・発展させたその功績は、答えなき時代の新たな経営の羅針盤となりうるのか。授与式の熱気から、次世代マネジメントの輪郭を探る。
ドラッカーの問いに応えた「知の系譜」
式典のハイライトは、欧州ドラッカー協会のリチャード・ストラウブ総裁が語った授与理由そのものにあった。リチャード・ストラウブ総裁は、ピーター・ドラッカーが投げかけた「知識労働者の生産性向上」という難題に言及。この問いに対し、故・野中郁次郎氏が「知識創造」の概念を提示し、紺野登氏が「場(Ba)」や「知識生態学(Knowledge Ecology)」といったコンセプトでそれをさらに深化させてきた流れを、「基礎研究から応用研究、そして実践へと繋がる見事な貢献」と絶賛した。
「紺野氏をシニアフェローとして迎えることは、我々の活動にとって極めて重要です」。リチャード・ストラウブ総裁の言葉は、単なる賛辞ではない。西洋の合理主義だけでは解けない課題に対し、東洋の思想を汲む日本発の経営知が、グローバルな処方箋となりうるという強い期待の表れだ。
主催者を代表して祝辞を述べたJIN理事の安藤国威氏も、この「知の系譜」の重要性を強調。2023年に故・野中郁次郎氏が同協会の名誉フェローを授与された事実に触れ、「野中先生に続き、紺野先生がシニアフェローとなられたことは、我々にとって二重の大きな喜びです」と語り、両氏が長年にわたり、知識創造の理論を実践的な経営手法へと昇華させてきた功績を称えた。
授与された紺野登氏は、まず深い感謝を表明。自身の研究の原点が、師である故・野中郁次郎氏の知識創造理論にあることを改めて語り、そこから「場(Ba)」、そしてより包括的な「知識生態学」へと自身の思索が広がっていった経緯を振り返った。「この度の受賞は、私一人のものではなく、議論を重ね、活動を共にしてきたコミュニティの皆様のおかげです」と謙虚に語る姿に、知の共創を重んじる氏の哲学が滲んだ。
未来を創る「ネクスト・マネジメント」への挑戦
そもそも、なぜ今“ドラッカー”なのか。式典の冒頭、欧州ドラッカー協会アンバサダーの高重吉邦氏は、毎年ウィーンで開催される「ドラッカー・フォーラム」が、単にピーター・ドラッカーの教えを学ぶ場ではなく、「世界トップクラスの思想家や経営者が集い、未来のマネジメントを議論し創造する場」であることを紹介した。
その活動の核となるのが、協会が最も力を入れる「ネクスト・マネジメント・イニシアチブ」だ。高重吉邦氏はこの取り組みについて、「21世紀にふさわしい、包括的でホリスティックな新しいマネジメントのフレームワークを再構築する必要がある」とその意義を力説。複雑性を増す現代において、旧来の経営モデルが限界に達しているという強い問題意識が、協会を突き動かしている。紺野登氏のシニアフェロー就任は、まさにこの次世代のフレームワークを構築するための重要な一手と位置づけられているのだ。
答えなき時代のリーダーシップ――求められる「問いを立てる力」
授与式の後半で行われたパネルディスカッション「新たな経営、新たなリーダーシップ」では、議論がさらに加速した。
現代のリーダーは、かつてのように明確な解決策を提示する「賢人」ではいられない。答えのない時代に直面する彼らにとって不可欠なのは、「問いを立てる力」である――。パネリストたちから発せられたこの指摘は、会場にいた多くの経営者・リーダーの胸に突き刺さったはずだ。
さらに議論は、日本企業のポテンシャルへと及んだ。一見、非効率にも見える「お互いを助け合う」文化や、プロセスを重視する「型」の思想。これらがグローバルな視点と融合する時、予期せぬ化学反応が起き、新しいイノベーションを生み出す大きな可能性を秘めていることが活発に議論された。 ピーター・ドラッカーの問いから始まった知の探求は、故・野中郁次郎氏と紺野登氏の両氏による「知識創造」の系譜を経て、今、「問いを立てる力」と「日本的経営の再評価」という新たな地平を指し示している。今回の授与式は、日本企業が自らの強みを再認識し、世界をリードする新たな経営モデルを創造する、その号砲となるのかもしれない。












欧州ドラッカー協会
シニアフェロー称号授与式 紺野登
名称:紺野登 ドラッカー協会シニアフェローシップ授与式
日時:2025年7月1日(火) 16:00~18:00
場所:東京都港区新橋1-1-13 アーバンネット内幸町ビル3階
CROSSCOOP セミナールームA
企画・運営:一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)
アジェンダ:
16:00~16:10 高重吉邦アンバサダーよりご挨拶
16:10~16:15 JIN 安藤国威理事よりご挨拶
16:15~16:20 リチャード・ストラウブ総裁より授与にあたってのスピーチ
16:20~16:30 授与(記念撮影)
16:30~16:35 紺野登より感謝の言葉
16:35~17:00 「新たな経営、新たなリーダーシップ」について討論
17:00~17:10 全体記念撮影
17:10~18:00 ネットワーキング 終了